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IoTサービスって難しい!IoTサービス開始までに立ちはだかる壁について解説します

目次
はじめに:IoTサービスのハードルの高さ
「IoTで新しいサービスを始めたい」「既存製品にIoT機能を追加したい」
そんな思いを持っている企業は多いものの、実際にサービスをローンチできている企業は限られています。
株式会社イーエル・オカモトでは、これまで数多くのIoTプロジェクトに携わってきた経験から、IoTサービスは、ハードウェアの試作(POC:Proof of Concept)からサービスのローンチまでのハードルが、他の電子機器製品よりも明らかに高いと実感しています。
本記事では、IoTサービスの立ち上げを難しくしている要因について、実例を交えながら解説します。
おすすめ:IoTって何に使えるの?弊社が提供するIoTサービスを紹介
IoTサービスが難しい理由:幅広い専門領域の統合が必要
IoTを構成する5つの要素
IoTサービスを実現するには、以下の5つの要素を統合する必要があります。
1. センサーやアクチュエーター(アナログ領域)の選定
例えば、温度センサー一つとっても、サーミスタ、熱電対、赤外線センサーなど、複数の種類があり、それぞれ精度、測定範囲、コストが異なります。用途に応じた最適な選択が求められます。
2. ハードウェア設計(電子回路・アートワーク)
センサーやアクチュエーターを制御し、データを処理するための電子回路設計です。試作段階ではシングルボードコンピュータを利用することも多いですが、最終的にはマイコンでの設計・ファームウェア開発など専用回路を設計することによりコストを最適化することが多いです。
3. 通信(通信モジュールの選択など)
収集したデータをクラウドに送信するための通信機能です。すでに環境が整っている場合はWiFiが最適な場合もありますが、顧客環境でWiFiが使えない場合などにはLTEなど携帯電話回線(モバイル通信回線)を利用することも多いです。
4. クラウド環境(AWS、Azure、GCPなど)
データを蓄積・処理するためのクラウドインフラです。
クラウド環境は、デバイスが増えれば増えるほどコストが増大するため、初期段階からコスト試算を行い、ビジネスモデルとして成立するかを検証する必要があります。
この領域は、インフラエンジニアやクラウドアーキテクトの専門分野です。
5. データの収集・分析・管理環境
収集したデータを可視化し、ビジネスに活用するためのアプリケーション層です。
この領域は、ソフトウェアエンジニア、UI/UXデザイナーの専門分野です。
なぜIoTサービスの立ち上げは難しいのか?
課題1:必要な専門領域が広すぎる
上記のように、IoTサービスを実現するには、アナログ技術からITまで、非常に幅広い専門領域をカバーする必要があります。
- ハードウェアエンジニア:センサー選定、回路設計、基板設計
- ファームウェアエンジニア:マイコンプログラミング、省電力制御
- 通信エンジニア:通信方式選定、プロトコル実装
- インフラエンジニア:クラウド環境構築、セキュリティ対策
- ソフトウェアエンジニア:アプリケーション開発、データベース設計
- データサイエンティスト:データ分析、AI/機械学習
- UI/UXデザイナー:ユーザーインターフェース設計
一つの企業が、これらすべての専門人材を揃えることは容易ではありません。
課題2:IT企業とハードウェア企業の「谷」
IoTサービスを立ち上げようとする企業は、大きく2つのタイプに分かれます。
パターンA:IT企業(ソフトウェア開発会社、Webサービス企業など)
- クラウド環境構築やアプリケーション開発は得意
- しかし、ハードウェア設計や電子回路の知識が不足
- センサー選定や通信モジュールの実装で躓く
パターンB:ハードウェア企業(製造業、電子機器メーカーなど)
- ハードウェア設計や製造は得意
- しかし、クラウド環境やデータ分析の知識が不足
- 「データを取得できたが、どう活用すればいいかわからない」という状態に陥る
このように、IT企業だけでは対応が難しく、ハードウェア企業だけでも対応が難しいのがIoTサービスの特徴です。
課題3:複数企業との連携によるコミュニケーションコスト
ハードウェアは A 社、通信は B 社、クラウドは C 社、アプリ開発は D 社というように、複数の企業に分けて発注すると、以下のような問題が発生します。
- 仕様の伝達ミス:企業間で仕様の解釈が異なり、統合時にトラブルが発生
- 責任の所在が不明確:問題が発生した際、どの企業の責任なのか特定が困難
- 納期の調整が困難:各社の進捗がバラバラで、全体のスケジュールが遅延
- コスト増大:各社との調整業務に多大な時間とコストがかかる
結果として、プロジェクトが長期化し、コストが膨らみ、最悪の場合はプロジェクトが頓挫してしまうこともあります。
イーエル・オカモトが提供する解決策
株式会社イーエル・オカモトはEMS・ODM・OEM企業で、電子機器の受託生産を行っており、これらの課題を解決するため、ハードウェアからソフトウェアまで、ワンストップでIoTサービスを支援しています。
1. ハードウェア設計の専門性
創業以来、電子機器の設計・製造を手がけてきた実績があり、以下の対応が可能です。
- センサー・アクチュエーターの選定支援
- 電子回路設計、基板設計
- ファームウェア開発
- 通信モジュールの実装
- 試作から量産まで一貫対応
2. IoTプラットフォーム「IoTto」との連携
IT関連については、IoTプラットフォーム「IoTto(イオット)」との連携により、以下のサービスを提供します。
- クラウド環境の構築
- データの収集・蓄積
- ダッシュボードによるデータ可視化
- アラート機能
- API連携
- セキュアな通信
IoTtoとの連携により、クラウド環境の構築やアプリケーション開発の期間を大幅に短縮できます。
3. ワンストップ対応によるメリット
イーエル・オカモトに一括してご依頼いただくことで、以下のメリットがあります。
コミュニケーションコストの削減 複数企業との調整が不要になり、お客様の負担を大幅に軽減します。
スピーディな開発 ハードウェアとソフトウェアの同時開発が可能で、開発期間を短縮できます。
責任の明確化 一社完結のため、トラブル発生時の対応がスムーズです。
コストの最適化 全体を見渡した最適な設計により、無駄なコストを削減できます。
量産への円滑な移行 試作段階から量産を見据えた設計を行うため、スムーズに量産に移行できます。
まとめ:IoTサービスの成功にはトータルでの対応が不可欠
IoTサービスは、ハードウェア(アナログ)からソフトウェア(IT)に至るまで、幅広い専門領域を統合する必要があります。
- IT企業だけでは、ハードウェアの壁に阻まれる
- ハードウェア企業だけでは、ITの壁に阻まれる
- 複数企業に分散すると、コミュニケーションコストで疲弊する
株式会社イーエル・オカモトは、ハードウェアの設計はもちろん、IT関連はIoTプラットフォーム「IoTto(イオット)」との連携により、ワンストップでのサービス提供が可能です!
「IoTサービスを始めたいが、どこから手をつければいいかわからない」 「試作は作ったが、量産に進めない」 「複数の企業との調整に疲弊している」
そんなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ一度、イーエル・オカモトにご相談ください。
株式会社イーエル・オカモト
国内・関西・京都のEMS(電子機器受託製造サービス)・OEM
〒621-0021 京都府亀岡市曽我部町重利風ノ口18-4
TEL: 0771-20-9070
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